「オンス」という単位~ウイスキーは重さで量り売りしている

シングルウイスキー

「スカッチをダブルで」と言えば、ロック・グラスに注がれるウイスキーは、人差し指と中指で丁度隠れるぐらいの量を出してくれるのが、バーの通常のスタイルです。

シングルウイスキー
だから、「ツーフィンガーで」といっても構いません。アメリカ映画で見かけるのは、カクテル用のメジャーカップの小さい方に入れた分量がシングルで、大きい方に入れた分量がダブルです。
合理思考の国ならではのやり方ですね。ちゃんと計測器で測定してるのですから。

ところが、このアメリカ風は誤りです。

というのは、例のメジャー・カップは小さい方が1オンス。大きいほうが2オンスと言います。計量カップを使用しているので、なんだか正確なように見えますが、どのメジャー・カップも同じ量とは限りません。
少なくとも、そのカップを使用している店内のみでは、毎回のオーダーでは同量を計ることはできますが、世界はもとより、隣のバーでさえ違っていることがあります。

なぜでしょう?

実は、「オンス」は容積や体積の単位ではないからです。「重さ」つまり質量の単位だから、初めから使用目的として誤っているのです。

そこで、

「○○酒組合」ではシングルを30ccとする。

とか、

「○○バー組合」は29ccだ。

とか、一定ではないのです。

日本のメジャーカップはほとんどが30ccと60ccです。

メジャーカップ

地球人には幾種かの人種がいます。イヌの犬種ほど大きな違いはありません。私たち日本人種はヨーロッパ人種より小さいと言えます。ですが、ペキニーズとグレートデンほどの違いはありません。
したがって、世界中どこの家やホテルを訪ねても玄関の大きさがまるで違うといったことは起こりません。

経験では、アメリカ人用施設のトイレの男子便器の高さが若干困るほど高かったことはあります。アメリカでの通常サイズでしょうか。
椅子なども大きめな感じはしますが、しかし、不便なほどの違いがあるわけではありません。

世界では、「長さ」、「距離」の単位はそれぞれ違っています。日本では、やっと標準となった「メートル」はフランス産の尺度です。
それぞれ違った単位を使用していますが、メートル以外の単位のほとんどは人体のある部位の長さが基準となっています。それが理由で、世界中の建物の部位に大きな違いがないと考えます。

「1フィート」を「1洋尺」と書き表しますが、確かに1尺と1フートは近い大きさです。お酒も、国、地域で特徴あるものが作られています。
これらの適量なアルコールの量もやっぱり、おおむね同じ量です。日本酒1合とスカッチのシングル、ビールのジョッキに含まれるアルコール量はほぼ一致しています。

このように面白い「単位」について、このサイトでは考えてみたいと思います。

メートル法の出現~世界標準単位が必要になった理由

メートル

「度量衡」この文字読めますか?

読めなくて普通だと思います。なぜなら、私が今ここでこの事柄を話題しているから出てきた単語であって、日常の営みにおいて、こんな言葉を使用することはほとんどないでしょう。
数十年間使用しないことだって考えられます。「どうりょうこう」と読みます。江戸時代初期では「同量考」と書かれた世界の単位換算表が著されています。

「度」は、「ものさし」のことですが、正確には「目盛」を意味します。メスシリンダーや分度器、時計にも目盛があります。これらを言います。

「量」は、「升」です。正確には、「1杯分、1個分」とかで目盛がないものです。おおむね容積や体積のことを言っていると考えていいでしょう。

「衡」は、「天秤」です。正確には、「等しい」ことを言います。おおむね「重さ」、「質量」と考えて差し支えありません。

人が生活に必要とする「量」に単位を要求するのは、これら「長さ(距離)」、「容積(体積)」、「重さ(質量)」の3つでした。
これらだけで足りた時期が長くありました。ここに「時間」を要素としていませんでした。

古い時代では、それでほとんど問題は起こりませんでした。その理由は、昔の人類は急ぐ必要がなかったからです。

時間がお金(タイム・イズ・マネー)ではなかった時期が長かったのです。

人の生活に必要とされた「数値」は、ことごとく人体のサイズが由来であれば生活しやすいのは当然です。

しかし、「交換」等の物流、経済が便利ツールとして発展するには、「アバウト」では不都合です。何か一つを基準として決めればいいのですが、国家、部族等の権力支配の威容が影響するので、
折衷案となるような基準を作り出すか、新たに、相互が納得しうる基準を見つけ出すしかありません。

それが「メートル法」です。

メートル

「メートル法」といっても「法規」ではありません。現在の世界標準単位です。

しかし、意外ですが、アメリカ合衆国はメートル法が整備された初めから現在に至っても、このメートル法という尺度を「公式」とはしていません。

アメリカが使用する通常生活では「マイル(陸上マイル)」が標準です。自動車のスピードメーター、道路標識、ピッチャーの球速などはほとんど「マイル」が使用されています。

日本の大型スーパーで見かける駐車場の規制速度を示す標識に「8km」がありますが、これを採用している店の「マニュアル」はメイド・イン・アメリカもしくはそれの模倣であることが知れます。
アメリカ合衆国では「5マイル」なので、きちんとスピードメーターのメモリに沿う速度です。日本で「8km」とは著しく半端、不自然な規制速度だと思いませんか?

物理量の単位で初めに決められたのは「長さ」だった。

メジャー

人が必要とするあらゆるものを自分で入手した時代から、共同作業、交換による分業の時代へ変化すると、「力」としてのエネルギー量や「効率」としての時間が度量衡に口出しするようになりました。
健康な牛馬、よく働く奴隷(戦後の敵国人)を欲し始めました。

これらは、「交換」の対象となり始めたので、「値踏み」の必要が生まれます。
こういった「量」には時間が要素に組み込まれなければなりません。ほとんどの場合、分母に時間を入れて新たな単位系が作り出されました。
これにより、「速さ(速度)」、「何人力(馬力)」、「何人ぶち(食料の量)(燃費)(効率)」等がその品のスペックを示すことになります。

現代では、無数と言えるほどの「単位」が存在します。時代が必要とすればさらに増えるでしょう。
国際化、無国籍化が進む一方ですから、これらすべてに正確な統一基準が必要となります。

「単位」の基本中の基本は、まず、距離、長さでした。これの統一に成功することにより「質量」、「体積」の基準を定かにすることができます。
現在の世界標準は「メートル法」ですが、その呼び名が長さの単位であるメートルとなった理由は、まさに、まず長さからだったからです。

メジャー

この基準には、人体部位を取り入れませんでした。基準に選ばれたのは「地球」です。その他に「水」が使用されました。
現在の世界基準と申しましたが、この二つが基準であったのは昔のことです。現在は違います。

まず、「長さ」をやっつけましょう。

メートル法での長さは、地球の子午線(経度線)の長が基準でした。緯度線を使用しなかったのは、地球の輪切りですから緯度によって長さが違うからです。
子午線の4分の1つまり、地球縦割りの水平カットである90°地表の距離の1万分の1を1kmとされました。

この時は実際にその距離を測ったのではなく、フランスの「ダンケルク市(パリではありません。)」からスペインのバルセロナまでの距離を三角測量で求め、
定義通り北極点から赤道までの距離を割り出しました。ですから、この時点では、計算上地球の縦一周はジャスト4万キロメートルでした。

赤道は少し大きいことは知られていました。地球自転による遠心力で広がっているからです。光は地球を1秒間に7周り半する。
と習いましたが、ほぼ、そのとおりです。光速は秒速30万kmに僅かに足りない程度だからです。

現在の国際的度量衡にあたるものは、「国際単位系」といいます。「SI」と呼ばれています。これは、発祥がフランスであったため、フランス語の頭文字です。

SI(国際単位系)の定義とは?

クエスチョン

現在のSI(国際単位系)の定義は2018年に改正される予定です。また、現在のSIも、「メートル法」の時代と定義が違っています。

クエスチョン

長さ1mの現在の定義は、子午線1000万分の1だったものから、「光が真空中を299,792,458分の1進む距離。」とされています。

メートル法の時は「長さ」が初めに示されました。その次が時間でした。
角度の定義は60進数(12進数系)で、三角関数がこの角度で考察が進んでいることから、変更は難しいと判断され、それにより、球体である地球の自転速度(正確には太陽の南中から次の南中前の時間)を基準としていたため、時間の単位に変更を加えませんでした。

SI(国際単位系)では、一番初めの項目がこの時間の定義です。

私に非常によく似た人物が過去に科学解説を行っていらっしゃった時、「量子力学、素粒子論」をあえて省略されていましたが、今回、私は、省略しません。

エネルギー量を厳密に観測、考察すると、実は、連続した値ではなく、整数倍の不連続な量であることがわかっています。
簡単に言うと、「飛び飛び」なのです。それが理由として、元素1個のエネルギーの状態の基準が存在します。

SI(国際単位系)による1秒の定義は、太陽南中間の24分の1の60分の1の60分の1から、「セシウム133原子の基底状態エネルギーの一つ次のエネルギー状態への変異に応じた放射の数値の91、926、311、770倍の時間」とされました。

このように、時間の定義が物理的定数を基準にしているので、天体といえども物体の運動を基準にしていることから、時間の経過により誤差が集積されていきます。

そこで、時間の基準はそのままに、国際的取り決めで「暦(カレンダー)」の方を修正することになっています。
通常、許容範囲を超えた誤差が予測されると、その都度、決められた日の「一日の長さ」を修正します。これを実行する日として選ばれる日の多くは、必要とする年の世界標準時(日本時間翌日午前20時)12月31日23時59分59秒の次に同日23時59分60秒(日本時間翌日午前20時59分60秒)を挿入します。
最近は、ゆるくなり、その日の24時間以内にその国の都合のいい時刻に挿入することになりつつあります。

この臨時に挿入する「1秒」を「閏(うるう)秒」と呼びます。
閏秒を入れる日を「閏秒のある日」、入れる年を「閏秒のある年」と呼びますから、「閏」とは増やすことそのもののことを言います。